25/1/23
海外マーケティングとは?成功に必要な戦略立案の手順を解説

ビジネスのグローバル化が進む現代では、海外をターゲットにしたマーケティングが注目を集めています。
しかし、言語、文化など、あらゆるものが日本とは異なる海外をターゲットに、どのようにマーケティング戦略を立てれば良いのか、曖昧な方も多いはずです。
そこでこの記事では、海外向けのマーケティングの始め方として「4ステップで」「必須フレームワークもセットで」解説していきます。
海外マーケティングとは?始める前 に知っておくべきこと
海外マーケティングの始め方を解説する前に、まずは「海外マーケティングの概要」について取り上げていきます。
日本と海外の違いを把握しておく
海外マーケティングに取り組む上で、まず真っ先にやるべきことが「日本と海外の違いの把握」です。
基本的には、日本とターゲット国の違いとして、下記の点に注意する必要があります。
言語
文化
通貨
購買行動
SNS
広告戦略
商慣習
言語、文化などはイメージがつくと思いますが、「広告戦略」「商慣習」といった部分も事前にチェックしておくべきです。
また、こういった細かな部分の違いを把握した上でマーケティングを仕掛けるには、日本人だけでなく、現地ネイティブと連携していくことが求められます。
グローバルワイドなマーケティング戦略は世界各国、重要性を熟知しているので、ターゲット国のネイティブマーケターにジョインしてもらうなど、事前に人材をプロジェクトに組み込んでおきましょう。
マーケティング手法を把握しておく
海外マーケティングの手法を把握しておくことも、成功には欠かせない要素です。
ここでは、海外マーケティングでセオリーとなる手法として、オフライン、オンラインにわけて解説していきます。
【オフラインマーケティング】
テレビ
ラジオ
OOH
各種イベント
従来型のオフラインマーケティングは、テレビ、ラジオ、そしてOOH(屋外広告)があげられます。
これらのメディアはインターネットの台頭により急速に力を失い、未だに大きな力を持っているものの、「頭打ち」になっているのが現実です。
一方、各種オフラインのイベン トは変わらず好調で、親日文化がある国では日本関連のイベントやフェスティバルがすこぶる人気があります。
こういった場所を活用し、自社やモノ、サービスの認知度を高めることは効果的です。
【デジタルマーケティング】
検索エンジン
SNS
DOOH
続いてデジタルマーケティングについては、今後の主流になる手法だといえます。
セオリーは「検索エンジン(SEO/リスティング)とSNSの両輪を回す」ことで、特にSNSを活用したマーケティングはスマートフォンが成長国にも普及しつつある今、もはや「必須級」のマーケティング手法だといえます。
一方、オンラインとオフラインのミックスである「DOOH(屋外デジタル広告)」も選択肢の1つ。
デジタルサイネージなどその手法は日進月歩で進んでいるため、今後注目のマーケティング手法だといえるでしょう。
成功に必要な戦略立案の手順
マーケティングを始める上で欠かせないのが、戦略立案の「手順」です。
よくある間違いが、「とりあえず」でマーケティングを始めてしまうこと。
デジタルマーケティングはその気になれば数日程度でスタートができますが、事前に、正しい順序に従って戦略を立案しないと、思うような効果は出てくれません。
調査と分析
セグメンテーションとターゲティング
マーケティング戦略の策定
実行とフィードバック
以上の手順に従って綿密に戦略を立案し、海外マーケティングのロードマップを作成していきましょう。
以下では、ステップ1〜ステップ4の手順を深掘りし、海外マーケティングの始め方を詳しくレクチャーしていきます。
フレームワークの活用で効率的に戦略立案
また、海外向けのマーケティング戦略を立てる上では、ビジネス課題を効率的に解決するための枠組みである「フレームワーク」の活用が効果的です。
今回、海外マーケティングを始める上で紹介するフレームワークは、下記の6つです。
PEST分析
SWOT分析
STP分析
4P分析
4C分析
ASDAモデル
次の章からは、これら6つのフレームワークを用いた、海外マーケティングの始め方を4ステップで解説していきます。
ステップ1:調査と分析
海外マーケティングの始め方のステップ1、つまり最初にやるべきことが「調査と分析」です。
ターゲット国そのもの
ターゲット国の顧客
ターゲット国の市場
こういったものを下記のフレームワークを用いて調査、分析していきます。
PEST分析
SWOT分析
では、それぞれのフレームワークの活用方法をチェックしていきましょう。
PEST分析
分析観点 | 詳細 |
Political=政治的要因 | 政治の安定性や規制、貿易など |
Economic =経済的要因 | 経済動向、為替、購買力など |
Social =社会的要因 | 文化、消費者の行動傾向、人口など |
Technological =技術的要因 | インフラの整備、ネット環境など |
まずはPEST分析を通じて、ターゲット国について詳細に調査、分析を行います。
日本経済の弱体化が叫ばれていますが、とはいえ未だに世界の五本指に入るほどの経済大国なので、「日本の当たり前」は海外では通用しないことがほとんどです。
政治的安定性、経済動向、社会的背景、そしてインフラやインターネット環境などの技術的要因、あらゆる点で日本よりも劣った国がほとんどなので、こういった日本とのギャップをまずは知識の面で埋めていくことが大切です。
SWOT分析
分析観点 | 詳細 |
Strengths=強み | 自社の強みや優位性 |
Weaknesses=弱み | 自社の弱みや改善点 |
Opportunities=機会 | ターゲット市場での成長機会 |
Threats=脅威 | 競争の度合いや規制の状況 |
PEST分析で「相手(ターゲット国)」について知ったら、続いてSWOT分析で「自分(自社)」について知っていきます。
自社の強み、弱み、ターゲット国における立ち位置、そして今後の脅威となり得る要因などを事前にチェックすることで、どのように立ち回っていくべきなのかを決定する上での重要な情報が得られます。
とりわけ、この段階では「強み」について理解しておくことが大切です。
これからの時代の海外マーケテ ィングを含めた海外ビジネスでは、絶対的な「競争力」が求められるので、自社がターゲット国やターゲット市場でどのような価値を顧客に提供できるのか、徹底的に考え抜きましょう。
ステップ2:セグメンテーションとターゲティング
ステップ1で相手(ターゲット国や市場)と自分(自社)について知ることができたら、続いてステップ2「セグメンテーションとターゲティング」へと進んでいきます。
このステップで効果的なフレームワークが「STP分析」です。
STP分析
分析観点 | 詳細 |
Segmentation=細分化 | 地理、人口、心理、行動などの観点で細分化 |
Targeting=ターゲットの決定 | 自社に最適なセグメントを決定 |
Positioning=自社の立ち位置の決定 | 自社に最適なセグメントを決定 |
STP分析では、まずはターゲット市場をさまざまな観点でセグメンテーション(細分化)し、セグメント(グループ)にわけていきます。
その後、得られたセグメントのなかから、自社の商材やブランドコンセプトに合致するセグメントを決定(ターゲティング)することで、ターゲット市場を効率的に攻略することが可能です。
たとえば、あるターゲット市場をセグメンテーションした結果、「高い購買力を持つ高齢者層」というセグメントが得られたとしましょう。
もし、自社が対象年齢が高めの高価格帯の商材を訴求したいなら、このセグメントが最適なセグメントであるとターゲティングできます。