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2024年6月27日

アメリカビジネス進出のメリットデメリット|成功・失敗例に学ぶマーケティングのコツ

アメリカは巨大なマーケットを持っており、ビジネス参入のメリットが大きい反面、失敗する日系企業も後を絶ちません。この記事では、デジタルマーケティングに18年以上携わってきたThe Digital Xが、以下の疑問や不安を解決していきます。


アメリカビジネス参入のメリットは?

参入前のリサーチで留意することは?

先行企業の失敗例・成功例は?


アメリカビジネスへの参入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。







【アメリカビジネスに役立つ】基礎データと経済状況

日系企業がアメリカビジネスに参入していくなら、経済の動向やリスクをしっかり把握しておくことが大切です。以下はアメリカの基礎的なデータになります。

面積

約983万k㎡

人口

約3億3,650万人

公用語

英語(法律上の定めはなし)

宗教

主にキリスト教(信教の自由を憲法で保障)

主要産業

・工業全般 ・農林業(小麦・トウモロコシ・大豆・木材ほか) ・金融・保険・不動産業 ・サービス業

参照:外務省「アメリカ合衆国基礎データ


まずは、アメリカにおける最新の経済状況についてみていきましょう。


アメリカ経済の動向

アメリカは世界1位のGDPを誇る合衆国です。約3億4,000万人が住んでおり、世界経済の中心としての役割を果たしています。西海岸の「シリコンバレー」は、GoogleやAppleなどの「GAFA」や、各国の最先端企業が集まるIT工業地帯として有名です。


アメリカの経済成長率やGDPの動向は、ビジネス戦略の礎となる部分なので、常に情報収集を欠かさないことが大切になるでしょう。


過去3度のリスクを乗り越えた回復力

世界でもっとも経済力のあるアメリカですが、常に安定をキープしてきたわけではありません。アメリカ経済は、過去に金融危機やコロナの影響による経済危機を計3回乗り越えてきています。


2020年のパンデミックで一度はマイナスになったものの、コロナ収束の2021年から段階的な上昇傾向にあるのが現状です。2023年においては2.5%の成長率まで回復しています。今後もより改善していく見通しがあり、経済回復に連動して個人消費のペースもアップする見通しです。


アメリカの主要産業と市場

アメリカには広大な土地と資源、先進的な技術があることから、その産業と市場は多岐にわたります。なかでも、世界をリードする存在として台頭しているのが、テクノロジーと金融産業です。


また、アメリカは多文化国家であるため、消費行動にも多様性がみられる特徴があります。消費者ごとに異なるさまざまなニーズや背景を理解することが、アメリカビジネスで成功するカギとなるでしょう。




アメリカビジネスに参入するメリット

日系企業がアメリカビジネスへ参入するメリットは以下の通りです。


  1. 圧倒的な市場規模と購買力

  2. 製造拠点としての魅力

  3. 企業進出をサポートする外資誘致政策


ここからはアメリカ経済の現状と伸びしろ、外資誘致政策など、アメリカビジネスの魅力についてみていきましょう。


圧倒的な市場規模と購買力

アメリカは、パンデミック後も圧倒的な経済規模と購買力を維持し続けている市場です。外務省の「主要経済指標」によると、約3億4,000万人の人口が暮らすアメリカのGDPは、2005年から世界1位を維持し続けています。


また、2023年には市場予想を上回る昨対比3.3%の増加を見せており、今後も伸びしろのある巨大な市場です。さらに、アメリカは世界トップクラスの所得水準であり、新しい製品やサービスに対する需要も高いことを考慮しても、販路拡大のポテンシャルは大いにあるといえるでしょう。


製造拠点としての魅力

製造業に従事する日系企業にとっては、拠点としての魅力も大きいでしょう。アメリカは先進国であるにもかかわらず、世界3位の広大な土地面積を有しており、天然資源が豊富です。現在アメリカには、2,000社以上の日系製造工場が拠点を構えています。


原料の調達・生産・加工までのすべての工程がアメリカ国内でおこなえるため、為替リスク・地政学的リスクが少ないのが具体的なメリットです。さらにアメリカでは、オバマ前大統領の時代から製造業に力を入れており、政府が巨額の融資をおこなっているのも魅力でしょう。


企業進出をサポートする外資誘致政策

現在アメリカには税制の優遇制度や助成金制度があり、企業にとってさまざまインセンティブがあることもメリットです。失業率が4%前後のアメリカでは、雇用機会の創出や地域活性化のため、州ごとに企業の進出を後押しする優遇制度を設けています。


また、アメリカの大学や研究機関は企業との連携を推進しており、共同開発や技術移転を積極的におこなっている傾向です。日系企業が新しい技術や知識を取り入れるには、絶好のチャンスだといえるでしょう。



アメリカビジネスに参入するデメリットと注意点

アメリカへの海外進出には、以下のデメリットや注意点も存在します。参入前に以下の3点をしっかり把握しておくことが、成功への近道です。


  1. 連邦国家としての特性

  2. インフラや物流の課題点

  3. 文化や言語の違いによる障壁



連邦国家としての特性

アメリカは連邦国家であり、州ごとに憲法や法律が異なるため、事業の横展開がしづらいデメリットがあります。連邦レベルだけでなく、所在地のある州レベルでも法規制を把握しておかなければなりません。


とくに近年は、さまざまな分野における法や規制の見直しがおこなわれていることから、リアルタイムでの情報収集が必須となります。また、政権交代による政治動向にも留意しなければならないでしょう。そのため、現地の法律・政治事情に精通しているアドバイザーなどのサポートが必要です。


インフラや物流の課題点

経済大国であるアメリカですが、そのインフラや物流は都市部に集中しており、国土全体では格差が生まれています。そのため、物流の遅延リスクやコスト増加リスクが懸念されているのです。


たとえば、アメリカの中西部や南部では、交通インフラの老朽化が問題になっています。港湾施設の混雑状況やストライキなども、解決しなければならない課題です。


文化や言語の違いによる障壁

アメリカと日本では、ビジネススタイルやコミュニケーションスタイルに根本的な違いがあります。この違いを理解していないと、交渉やプロジェクト遂行の障害になる可能性があるでしょう。


たとえば、アメリカのビジネススタイルは結果重視ですが、日本はプロセスとクオリティを重視する傾向があります。相互理解がないと誤解や摩擦を生む要因となってしまうでしょう。


また、アメリカのビジネス用語は専門的なフレーズが多く、日常英語とは異なる性質を持っています。そのため、現地のカルチャートレーニングや、ビジネス英語を習得する必要があるのです。



アメリカでビジネスに失敗する日本企業の特徴

アメリカビジネスは市場規模が大きいため、スタートアップや中小企業だけでなく、大手企業すらも失敗する難しさがあります。ここからは、先行企業によくある失敗例を紹介しますので、しっかり把握しておいてください。


意思決定が遅い

スピード社会であるアメリカでは、さまざまな場面で早期に判断する場面が訪れます。そのため、意志決定が遅い慎重な企業はアメリカビジネスで成功しづらいです。


とくに日本人は細かいことにこだわりすぎるところがあり、可能な限りリスクヘッジをしたがる傾向があります。しかし、競合他社の多いアメリカでは、その価値観だと十分に戦えません。日本の本社へ都度報告し承認を待っているようでは、ビジネスチャンスを逃してしまうでしょう。


またどんなに慎重に行動したとしても、防ぎようのない予想外の出来事は必ず起こります。「予想していなかった災害で損害が発生したが、撤退すべきか判断できない」というケースも多いです。


早期に意思決定するには、海外進出の目的を明確にして現地の社員と共有し、ある程度の裁量を与えておくことが大切になります。さらに、ワーストケースシナリオを用意して、失敗を想定した上でプロジェクトを進めることも求められるでしょう。


リサーチが不足している

リサーチやテストマーケティングが不十分だった企業も失敗しやすい傾向です。日本国内での成功体験に慢心すると、それがかえって仇となる可能性があります。


総合商社である「丸紅株式会社」は、2013年にアメリカの穀物商社である「ガビロン」を買収し穀物ビジネスを拡大しましたが、売上予測を大きく見誤る結果となりました。これは、市場予測や現地でのブランディングが不十分であったことが原因だとされています。


また、アメリカビジネスで日系企業がつまづきやすいポイントは以下の通りです。


  1. 税制や法規制

  2. 文化(言語・宗教・ライフスタイル)

  3. 競合(現地の競合・他国の競合)

  4. 企業パートナー(現地ビジネスパートナーの選定ミス)

  5. 収支予測


上記をしっかりリサーチすることで、失敗の確率は大きく下がるでしょう。


参照:Digima「日本企業の海外進出【失敗事例】から学ぶ「成功のヒント」| ユニクロ・ソニー・キリン・丸紅が失敗した理由


先行企業の実績と成功事例に学ぶマーケティングのコツ

アメリカは日本企業の海外進出先として最も人気が高い国です。2022年時点において、アメリカへビジネス進出した日系企業は8,673拠点にのぼります。業種別だと卸売・小売が1位、製造業が2位、3位がサービス業であり、販路拡大を目的にした海外進出がメインです。


外務省「海外進出日系企業拠点数調査|2022年調査結果


アメリカビジネス先行企業の成功事例

以下は、アメリカビジネスに成功した大手企業の一例です。


  • 自動車産業:トヨタ・ホンダ・日産

  • 電機産業:ソニー・パナソニック

  • ファッション産業:ユニクロ


たとえば「トヨタ自動車株式会社」は、北米への進出に成功したことにより、世界的な自動車メーカーへと成長しました。高級ブランド車である「レクサス」は、今やBMWやメルセデスベンツなどと同等の地位を確立しています。


「機能性・安全性・品質の高さ」という日本車の強みを最大限に活かすことで、従来の高級車とは異なるコンセプトを打ち出したことが最大の要因です。


また、「ユニクロ」は当初苦戦を強いられましたが、現地でのブランディングと商品戦略に成功したことで、アメリカ主要都市に多数の店舗を構えるまでに成長しました。


参照:Digima「アメリカ進出のメリット・デメリット|日本企業の進出動向」/workshift「【アメリカの調査】はじめての市場調査やビジネス環境調査を成功させるポイント


日系企業が取るべきアメリカビジネス戦略

競争が激しいアメリカビジネス市場で生き残るには、現地のニーズを的確に把握し、日系企業の独自性を活かした戦略が重要になります。


・戦略と方向性を明確にする

・市場ニーズを深く理解する(多様な消費者のニーズや価値観)

・地域や州ごとのアプローチを意識する

・日系企業の持つ品質やサービスのよさ・技術力などの強みを活かす


市場における情報収集は、オンラインリサーチを活用するのがいいでしょう。信頼性のチェックは必須ですが、SNSやオンラインフォーラムを活用すれば、新しいトレンド情報がキャッチできます。


また、現地に精通したパートナーを見つけるのも重要です。地域特有の市場動向や消費者行動を熟知したリサーチ企業のサポートが得られれば、自社で独自に調査するよりも効率化でき、コスト削減につながるでしょう。



アメリカでビジネス展開する際によくある質問

最後に、アメリカビジネスに関連したよくある質問を紹介します。関連記事もあわせて掲載しますので、ぜひ疑問解決に役立ててみてください。


アメリカのスモールビジネスとは何ですか?

アメリカにおける「スモールビジネス」とは、500人以下の従業員で構成された小規模ビジネスのことを指します。海外進出の規模にかかわらず、オリジナリティを活かした事業展開をすることにより、新たなビジネスチャンスを掴むことができるのです。


スモールビジネスには、意思決定が早いことや小回りが利くこと、アイディアを実現しやすいなどのメリットがあります。


アメリカマーケティングに活用できる人気snsは?

以下の記事で、アメリカの人気SNSランキングを紹介しています。

アメリカの人気SNSランキングTOP5|日本企業のSNSマーケティングを成功に導くコツ

また、以下の記事ではアメリカの新しいSNSについても紹介していますので、あわせて参考にしてみてください。

【2024年版】アメリカの新しいSNS10選!日本ではまだ知られていない次世代プラットフォームをご紹介


アメリカにおける広告ビジネスのコツは?

以下の記事で、アメリカ広告ビジネスの最新トレンド情報を紹介しています。

【2024年最新】アメリカの広告事情|トレンドを押さえた運用のコツ


アメリカで集客できる検索エンジンは?

アメリカの検索エンジンランキングと日本とのSEO比較については、以下の記事を参考にしてください。

【2024年版】アメリカの検索エンジンTOP4|日本との比較とSEOマーケティングのコツ


アメリカにおける越境ECを成功させるコツは?



アメリカビジネス進出ならTheDigitalXまでご相談ください

弊社は、デジタルマーケティングのプロフェッショナルの観点から、常に変化するアメリカ市場やマーケティングのトレンドにもすばやく対応し、柔軟なサポートが提供可能です。


ネイティブのマーケターが所属しているため、現地の言語やローカライズなど、海外進出に必要な支援ができる強みがあります。アメリカビジネス進出を検討している方は、ぜひ一度弊社へご相談ください。

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