- 綾 佐藤
- 12 分前
- 読了時間: 13分
デジタル社会において、Webマーケティングでの集客は、現代における効果的な手法の1つです。
海外展開やインバウンド事業を検討している方の中には、海外向けのWebマーケティング手法にお悩みの方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、海外Webマーケティングにおける具体的な方法とその手順を、専門家の視点から詳しく解説していきます。
国内企業における海外向けマーケティングの取り組み状況
海外Webマーケティングの具体的な手法
海外Webマーケティングの始め方
海外Webマーケティングの難しさや注意点についても解説しますので、Web上での集客にお悩みの方はぜひご参考ください。
国内企業の海外向けマーケティングの取り組み状況
まずは、国内企業の海外マーケティングにおける取り組み状況からみていきましょう。
テクノポートは、「BtoB企業の海外向けマーケティングの実態調査」の結果から、「オンライン情報の購買プロセス」を好む世界各国のBtoBバイヤーは今後増えていくと予測しています。
特に海外では、日本よりもオンライン上における購買行動が盛んな傾向です。
Webマーケティングは、新規顧客の開拓や認知度拡大に効果的な手法であるため、今後も海外ユーザーとの接点を持ち続けるなら、オンライン上におけるマーケティング活動は必須だと言えます。
少ないリソースとリスクで販路拡大できる点からも、国内企業が海外向けのWebマーケティングに取り組むメリットは大きいです。
また、すでに海外向けのマーケティングに取り組み、成功している企業の多くは、アジア向けの海外マーケティングを強化しています。
また、各アジア地域へのWebマーケティング戦略については以下をご覧ください。
海外Webマーケティングの方法①SEO
海外Webマーケティングにおいては、国内よりもSEOやコンテンツマーケティングの活用が盛んな傾向です。
海外向けの自社サイト
海外向けコンテンツ
SEO対策
ただし、上記への取り組みには、ターゲット市場に合わせた適切なローカライズと言語選択が必須となります。
海外向けの自社サイト
海外Webマーケティングをおこなうなら、外国語自社サイトの構築・運用は必須です。
自社サイトを作ることで、Webマーケティングやさまざまなオフライン施策におけるハブとしての機能を持たせることができます。
ブランド認知の統一とストーリーテリング | 自社の世界観やブランド価値を一貫して伝える (SNS投稿やPR施策のリンク先) |
---|---|
展示会やイベント後のフォローアップ | 展示会や商談で接点を持った見込み顧客への温度感を高める(製品情報・事例・導入プロセスの掲載) |
多言語広告の受け皿 | Google広告やSNS広告のリンク先 (問い合わせフォームや資料請求の促進) |
営業資料やカタログのデジタル配布 | PDFカタログやホワイトペーパーなど 営業活動との連携 |
オフライン施策とのクロス連携 | QRコードや短縮URLを活用した交通広告・店頭POP・テレビCMなど (商品情報やレビューへの誘導) |
ローカルパートナー向けのポータル機能 | 商品情報・販促ツール・FAQをまとめたセクションによる営業支援 |
自社サイトの構築は新規顧客の獲得のみならず、既存顧客の維持も効率化してくれます。
ただし、効果的な運用のためには、最新情報の提供やSEO対策、ユーザーフレンドリーな設計が必要です。
コンテンツ選定 | 会社概要や製品情報など、海外市場に関連する重要なコンテンツ |
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ネイティブデザイン | ターゲットに好まれるUI・色彩・ページデザイン |
ユーザビリティ | モバイル最適化・表示速度への配慮など |
海外向けコンテンツ
外国語コンテンツを作成することで、現地におけるブランド・企業の認知度拡大が可能です。
現地ユーザーの興味関心を引くような情報や、エンターテインメントを提供することにより、自社の競争優位性やユーザーからの信頼度を高めることができます。
会社紹介
製品(サービス)紹介
ブログ記事
SNS投稿
ホワイトペーパー
お役立ち資料 など
コンテンツは、現地ターゲットの目に留まりやすい形式での発信が理想的です。ブログや動画コンテンツなど、現地のユーザーがどんな媒体に興味を持っているかもしっかりリサーチしてください。
また、国内のニーズと海外ユーザーのニーズが異なる点にも留意し、入念な現地調査をおこなった上で作成することが求められます。
海外向けのコンテンツマーケティングについては、以下で詳しく解説しています。
SEO対策
ただ外国語自社サイトやコンテンツを製作しただけでは、現地ユーザーに見つけてもらえません。
海外向けのWebマーケティングで重要なのは、製作した自社サイトやコンテンツがターゲット国の主要検索エンジンで上位表示されるように最適化をおこなうことです。
海外向けのSEO対策では、現地に合わせた言語と文化の適切なローカライズが求められます。
また、ターゲット国に合わせてURLやページ構造を最適化することも意識しなければなりません。
具体的な海外向けのSEO対策については、以下の記事をご覧ください。
海外Webマーケティングの方法②SNS
SNSは、特定のターゲットに対するリーチを強化しやすい特徴を持っており、海外Webマーケティングにおける重要な役割を果たします。
コンテンツ投稿による見込み顧客への情報発信
広告配信による製品・サービスの認知度拡大
ネットワーク構築によるビジネスチャンス創出
顧客とのコミュニケーション
インフルエンサーマーケティング など
ただし、国ごとに主要なプラットフォームは異なるため、活用時はターゲットの市場に合わせたものを選定することが大切になるでしょう。
以下は、世界全体における代表的なSNSのシェア率です。
引用:Statcounter「Social Media Stats Worldwide」
また、海外向けのインフルエンサーマーケティングについては、以下で詳しく解説しています。
海外Webマーケティングの方法③Web広告
Web広告の運用は、ターゲット市場に直接アプローチできる重要な手段です。
広告を利用することにより、特定の市場セグメントに効果的にリーチし、商品やサービスの認知度を高めることができます。
検索エンジンへの広告出稿
リスティング広告
SNS広告
CTV広告
リテール系のディスプレイ広告 など
特定のキーワード対策など、顕在層へのアプローチならリスティング広告が有効でしょう。
また、近年では、以下の2つのWeb広告手法も注目されています。
CTV広告 (ストリーミングコンテンツへの広告戦略) | 視聴内容からユーザーの好むコンテンツ傾向が把握しやすい(ターゲティング精度が高い) |
---|---|
リテール系広告 (オンラインプロモーションスペース・店舗内ディスプレイを活用) | 消費者の直接的な購買情報を基にしている (パーソナライズしやすくリーチ率が高い) |
ただし、海外向けのWeb広告には、市場における文化やトレンドを考慮した、クリエイティブな内容が求められます。
特に、ビジュアルやメッセージ性には文化的違いが顕著に出るため、慎重な配慮も必要です。
【始め方】海外Webマーケティングの手順
海外Webマーケティングの具体的な手順は以下のステップです。
海外進出の目的とターゲットを明確にする
念入りな市場調査をおこなう
ターゲットの購買プロセスを把握する
海外向けの自社サイトを構築する
Webマーケティングによる集客施策を実施する
効果測定をおこなう
海外進出の目的とターゲットを明確にする
海外進出成功のカギを握るのは、明確な目的の設定とターゲティングです。
ブランドやサービスの認知度拡大や収益増加など、目的に応じて必要とされる戦略は変わってきます。
新規顧客を獲得したい(販路拡大)
販売代理店を開拓したい
テストマーケティングで最も反響のある地域を見極めたい
短期的な結果が欲しい
中長期的な視点で仕組みを構築したい など
まずはWebマーケティングの方向性を定めるためにも、企業を海外進出させる目的を明確化しましょう。
念入りな市場調査をおこなう
海外向けのWebマーケティングでは、ターゲット市場へのローカライズが必須です。
文化・消費者行動・法規制・競合分析など、多角的な視点から念入りな市場調査をおこないましょう。
市場調査は、自社の商品・サービスが市場にマッチするのか、どのようにアプローチすべきかを判断するための重要なステップです。
市場への理解を深めることであらゆるリスクを低減し、新たなビジネスチャンスを掴む体制を整えることが大切になります。特に、国際的な貿易規制や市場動向には注意を払う必要があるでしょう。
ただし、国内からの調査はハードルが高いため、海外マーケターが在籍する企業に調査を依頼するか、オンラインの調査ツールを活用するなどの対策が求められます。
ターゲットの購買プロセスを把握する
海外Webマーケティングに取り組む際は、ターゲット層の購買プロセス把握を初期段階で済ませておくことが大切になります。
効果的なマーケティング戦略は、購買プロセスの各ステップごとに異なるためです。
たとえば、BtoBバイヤーの購買プロセスにおいては、以下のように行動が異なります。
初期段階における購買行動 | 後期段階における購買行動 |
展示会やウェビナーへの参加 WebサイトやSNSでの情報収集 社内資料や業界紙からの情報収集 など | Webサイトからの見積もり依頼 製品カタログダウンロード ホワイトペーパーのダウンロード 業者のマッチングサイトを活用した検索 |
上記を把握するためには、ペルソナに類似したユーザーに直接インタビューするのが最も効果的です。
ターゲット層の購買プロセスを詳細に把握することで、どのような媒体からどのようなアプローチをすべきなのかが明確になります。
海外向けの自社サイトを構築する
ターゲティングや市場調査などの情報収集が完了したら、具体的な施策に移っていきます。
自社の商品・サービスを紹介するための自社サイトやランディングページを作成しましょう。
先述した通り、この自社サイトは各マーケティング戦略の基点となる場所です。
SEO施策や3C分析を応用し、継続的に集客できるようなサイト構築を目指しましょう。
Webマーケティングによる集客施策を実施
サイトを構築した後は、Webマーケティングによる具体的な集客施策を実施します。
予め調べておいたターゲット層の購買プロセスを基に、情報収集がおこなわれる各媒体からのアプローチをおこない、露出を高めることを意識しましょう。
基本的な流れは国内Webマーケティングと同様ですが、海外においては、同じ媒体でも活用法が異なる場合や、日本では使用されていない独自の媒体が進出している場合があります。
ターゲットがどんな目的で媒体を活用しているのか、しっかり把握した上で施策を打つことが大切です。
効果測定をおこなう
海外Webマーケティング施策は難易度が高く、初期の施策がすべてうまくいくケースは稀です。
そのため、定期的な効果測定や改善活動に取り組み、中長期的な視点で成果を出すことが成功への近道となります。
各種KPI(主要業績評価指標)を設定し、それに基づいたパフォーマンスの追跡をおこないましょう。
Webサイトのトラフィックや転換率、顧客のライフタイムバリューなどを定期的に分析し、マーケティング戦略の効果を評価して、改善点を見つけることが大切です。
海外Webマーケティングの課題と注意点
海外Webマーケティング実施時には、特に以下の課題に留意する必要があります。
国内Webマーケティングとの違い
集客後の対応の難しさ
国内Webマーケティングとの違い
海外と国内のWebマーケティングでは、以下の要素における違いがあります。
市場規模の違い
文化や言語の違い
消費行動・商習慣の違い
チャネルや手法の違い など
そのため、各地域に合った戦略を立てるためには、多角的な視点からのローカライズが必須です。
より効果的な戦略を求める場合は、専門家との連携も視野に入れるべきでしょう。
集客後の対応の難しさ
海外Webマーケティングでは、集客後の顧客対応も大きな課題です。
見込み顧客獲得のハードル(Webマーケティング自体の難しさ)
現地顧客への対応(問い合わせやサポートの多言語対応)
貿易実務の体制構築 など
上記の課題解決には、現地代理店やパートナー企業との協働が欠かせません。
海外Webマーケティングに関するよくある質問
最後に、海外Webマーケティングに関するよくある質問をご紹介します。
海外BtoBマーケティングの勝ち筋が知りたいです。
海外マーケティングにおける戦略立案の手順は?
日本企業の海外マーケティング成功事例が知りたいです。
グローバルマーケティングにおける成功のコツは?
アメリカにおけるデジタルマーケティングのトレンドは?
韓国におけるデジタルマーケティングのトレンドは?
海外BtoBマーケティングの勝ち筋が知りたいです。
海外におけるBtoBマーケティングのコツとトレンド情報については、以下をご覧ください。
海外マーケティングにおける戦略立案の手順は?
海外マーケティングの手順については、以下をご覧ください。
日本企業の海外マーケティング成功事例が知りたいです。
国内企業のマーケティング事例については、以下で解説しています。
グローバルマーケティングにおける成功のコツは?
グローバルマーケティングを成功に導くコツは、以下で解説しています。
アメリカにおけるデジタルマーケティングのトレンドは?
アメリカデジタルマーケティングのトレンドは、以下をご覧ください。
韓国におけるデジタルマーケティングのトレンドは?
韓国のデジタルマーケティングにおけるトレンドは、以下をご覧ください。
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